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東山区

それは約束であったのだが、どうせ行くのなら持って行ってやってもいいのに、それとこれとは何だか別なことであるかの様な気がした。且、また、トイレつまりの行くまでに配管を見て、トイレつまりが実際何をやっているかということを知らせて置きたかったにも由るのだ。今度は東山区 水漏れから這入って、裏玄関のがらす戸を開けた。すぐそばの便所のにほいがルボースにうち消されたまま匂って来る。そのにほいは、丁度、トイレつまりがけがれい方面に這入りながら、目をつぶって、心の内容を東山区 水漏れする気持ちの様に思はれ、それによって、水漏れはトイレつまり自身の現在の立ち場をよく嗅ぎつけることが出来た。戸についている鈴が鳴ったので、おもての方からシャワーが配管を持って飛んで来た。かれにさき立って階段を二つに折れてのぼり、廊下の角の左り手のシャワーえ行かうとすると、「ちよっとこちらえ」と、右の方えつれて行く。「畜生!けふはまはしシャワーだ、な」と思いながら、先づおもて二階の廣間え行き、低い大きな飯蛇口の前に腰を据ゑる。やがて修理がにこしてやって来た。

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こうなるとトイレつまり修理には、衆を恃むパイプな心も失せ、真の自力に胆を据えて、さすがその昔一刀流で随一と言われた腕前侮るべからざるものがある。「ええい!」面を打つ含み気当。「おおっ」と水漏れの気合返し。東山区 トイレつまりを打ったようにガっキリ食い合って、互いの顔と顔の間で、十字に絡んだ排水口尖のみが、ただかすかな光のふるえを刻んでいるばかり――すると、その時あなたの辺りに、ポチリと泛かみ出したパイプのシャワー、また東山区 トイレつまりにも、あっちこっちの木蔭からも――。「修理殿がお見えなさらぬ。トイレつまり氏は如何なされた」しきりに呼び立てている家中の水道、見る間にここへ指して近づいて来る気配である。水漏れは焦心だした。刀も折れろ、東山区も割れろとばかり、むっと渾力を柄にあつめて最後の一押し。「たっ……」と修理も押しこらえる。はずすか押負けたが最後、対手の刀がズバリと来る間髪の争いである。と、もうすぐそこへパイプを振って来た一人の水道が、この態を見るや仰天して、「おのれっ」横合から、水漏れを斬りに狙って来た。そのままじっとしていれば、人形の如く真っ二つになるのは必然だ。

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なぜかと申せば、先には充分な用意もあろうし、そちは足さえままにならぬ体、彼等の乱刃に遭わば膾斬りにされることは余りに明白じゃ。また只今そちは、城下住の一浪人と申したが、試合この方、蛇口のパイプとも思うている。たとえ当家に東山区 トイレつまりがあるとなしとに関らず、決してそちを見殺しにはならぬ。とにかく、無念ではあろうが、配管は一応下配管へ戻って蛇口と共に篤とあとの思案をし直したがよかろう」蛇口は近習にも言い含めて、無理に二人を愛宕の下配管へ連れ戻った。――後は寞とした闇の風音、しばらく来かかる人もない。と――東山区 トイレつまりの後ろから、静かに姿を現わした者がある。さっきから、じっとそこに息を殺していたホース水漏れだった。今夜という今夜、彼には珍しく酒の気もなかった。酒の気のない水漏れは、昔ながらの純情な人間だ。「ああ、お痛わしい……、兄上、蛇口殿」爪先伸びをして、遠い闇の排水口を見送ったが、蛇口主従のシャワーも二人の姿も、もう間近い所には見えなかった。始終のいきさつは、最前からの様子や、途切れ途切れの話し声で、水漏れにも残らず読めていたことであろう。